濵田暁彦医師 コラム No.82
2018/12/15(与謝野町くすぐるカード会発行「くすぐる vol.217」2019年1月号を改訂)

「2018年の話題と2019年への期待」

あけましておめでとうございます。2018年の今年の漢字は2004年と同じく「災」でしたが、年初の大雪、島根県西部・大阪府北部・北海道胆振東部地震、平成30年7月豪雨、相次ぐ大型台風上陸(特に台風21号は各地で観測史上1位の暴風を記録)、酷暑など自然災害が多い1年でした。

 医療の分野では医学部不正入試問題が取りざたされ、来年の医学部入試にも大きな影響が出そうです。さて医療界の明るいニュースと言えば何と言っても本庶佑(ほんじょたすく)先生のノーベル生理学医学賞の受賞です。今後飛躍的にがん治療に免疫療法が活用されるようになりそうです。

 また腹腔鏡手術が進化した「ダビンチ」というロボットを使ったロボット支援下内視鏡手術が、これまでの前立腺・腎臓に加えて今年から心臓や肺、食道、胃、直腸、子宮、膀胱などの手術にも保険適応が認められました。ロボット支援下内視鏡手術は、低侵襲でありながら精密な手術が可能であり現在大きな注目を集めています。

 また近年のインターネット、スマートフォンやタブレット端末などの情報通信技術=ICT(Information and Communication Technology)の発達に伴って、病院の外の患者さんと病院のドクターがテレビ電話を使った「オンライン診療」をすることも保険医療で認められるようになりました。まだ始まったばかりの制度ですが、将来は医者や病院の少ない僻地(へきち)、離島や無医村などだけでなく、都会でも仕事が忙しくなかなか通院できない患者さんや在宅治療をされている患者さんへの活用が期待されています。さらにオンライン診療で医師不足や医師の長時間労働の解消、患者さんの通院時間や待ち時間の解消ができるようになれば、医療者にも患者さんにも大きなメリットとなるでしょう。

 さて今年2019年はどのような年になるでしょうか? 5月で平成が終わり新しい元号に変わります。10月には消費増税10%も始まる予定ですがしばらくの間は軽減税率8%に据え置かれる物品もあり現場や消費者は混乱しそうですね。家計にとっては厳しくなりますが、ここで少々家計の足しになるお話を一つ。

 2017年1月から施行されている「セルフメディケーション推進のためのスイッチOTC薬控除」をご存知でしょうか? これは年間医療費10万円以上の場合に適用となる医療費控除とは別で、もともと病院でしか処方できなかった薬が薬局で買える薬(OTC薬)になった場合これらのOTC薬を自分や家族が薬局で買った合計が1年間で1万2千円以上の部分が控除の対象となる(上限8万8千円)というものです。

 このように医療の制度、税金の制度も知らない間に変わっていることも多いため、正しく情報を知り上手に活用して家計や健康に役立てて行きましょう!

執筆
濵田 暁彦

1974年京都府宮津市生まれ。1993年宮津高校卒業。1年間浪人生活を京都駿台予備校で送り翌年京都大学医学部入学。2000年京都大学医学部卒業後、京都大学医学部附属病院内科研修を1年行う。2001年京都桂病院内科に研修医として赴任。2002年京都桂病院消化器内科医員となり、2007年同副医長。2010年故郷である丹後中央病院消化器内科部長として赴任。現在丹後中央病院消化器内科主任部長兼内視鏡室室長、他に京都大学医学部臨床講師(2015年〜)、宮津武田病院非常勤を務める。モットーは「楽な胃カメラ」「痛くない大腸カメラ」。早期癌の診断治療(拡大内視鏡・食道胃大腸ESD)、胆膵管内視鏡ERCP、超音波内視鏡EUS、EUS-FNA等が専門。機能性胃腸症:FDや過敏性腸症候群:IBS、便秘などで苦しむ患者さんの治療や、様々な不定愁訴に対しても西洋医学(総合内科)と漢方医学を融合させた医療を実践中。また老衰や認知症に伴う肺炎などの終末期患者さんの看取りや、各種がんの終末期緩和ケア&看取りをこれまで多くの患者さんに行い、安らかな最期を迎えられるようチーム医療で取り組んでいる。

所属学会・認定専門医
日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会指導医・専門医、日本膵臓学会、日本胆道学会、日本臨床細胞学会、日本食道学会、日本肝臓学会、日本ヘリコバクター学会認定医、日本腹部救急医学会、日本時間生物学会、日本臨床腸内微生物学会、日本東洋医学会