濵田暁彦医師 コラム No.45
2015/11/20(与謝野町くすぐるカード会発行「くすぐる vol.178」2015年12月号より改訂)

「頭痛の話」その2

頭痛の中でも他の病気が原因として無い場合を一次性頭痛と言い、「筋緊張性頭痛」「群発頭痛」「片頭痛」などが挙げられます。

 まず「筋緊張性頭痛」はストレスや運動不足が原因となり、現代人の5人に1人が患っています。首や肩の凝り、眼精疲労などに伴って頭全体が締め付けられるように痛み、午後から夕方にかけて疲れと共に痛みが強くなる傾向があります。抗不安薬や筋弛緩薬、抗うつ薬で治療しますが、原因であるストレスを減らし筋肉をほぐす運動をすることも重要です。

 「群発頭痛」は20〜30代男性に多く、季節の変わり目などに1〜2ヶ月間毎日の様に就寝後や明け方などの決まった時間帯に、片目の奥が激しく痛む頭痛です。原因はまだはっきりしませんが、目の後ろを走る内頚動脈の炎症が顔面の知覚を脳に伝える三叉(さんさ)神経の過剰な興奮を引き起こすという説や、それに体内時計を調節するメラトニンというホルモンが関わるという説があります。

 20〜40代女性の20%近くが患う「片頭痛」は、月に数回頭の片側または両側が脈打つようにズキンズキンと痛み、吐き気やめまいを伴って寝込んでしまうほどの強い頭痛です。これも原因ははっきりわかっていませんが、血液細胞の血小板に含まれるセロトニンという物質が三叉神経の炎症を引き起こすと言われ、このセロトニンと同じ部位に作用する「トリプタン」という種類の薬が「片頭痛」と「群発頭痛」の発作治療薬として最も有効です。

 また片頭痛は女性ホルモンのエストロゲン濃度の変化と関連が強く、生理前や排卵前に頭痛が起き易く、また寝不足や寝過ぎ、特定の食物(チーズや赤ワイン、チョコレート、中華料理など)で頭痛が起きる事が知られています。

 また片頭痛の親の子供も片頭痛になりやすく、しかも子供時代には「周期性嘔吐症」という嘔吐を繰り返す胃腸の病気として症状が現れることもあります。更に「頭鳴(ずめい)」と言って、耳鳴りに似ていますが耳に異常が無く、「頭の中でセミがジージーと鳴いている」ような雑音が聞こえる病気も元々の原因は片頭痛にあるとわかってきました。

 最後に片頭痛には発作を抑える薬とは別に、予防薬もいくつかあります。これらを良く理解した上で上手に使うことでかなりの改善が期待できるのですが、逆に自己判断で鎮痛薬を使い過ぎて「薬物乱用頭痛」と言う別の頭痛が加わって更に頭痛が悪化する悪循環に陥る人が多いため問題になっています。

 頭痛の医学は進歩しており、頭痛に詳しい医師と共に適切な診断と治療を行うことが大切です。

執筆
濵田 暁彦

1974年京都府宮津市生まれ。1993年宮津高校卒業。1年間浪人生活を京都駿台予備校で送り翌年京都大学医学部入学。2000年京都大学医学部卒業後、京都大学医学部附属病院内科研修を1年行う。2001年京都桂病院内科に研修医として赴任。2002年京都桂病院消化器内科医員となり、2007年同副医長。2010年故郷である丹後中央病院消化器内科部長として赴任。現在丹後中央病院消化器内科主任部長兼内視鏡室室長、他に京都大学医学部臨床講師(2015年〜)、宮津武田病院非常勤を務める。モットーは「楽な胃カメラ」「痛くない大腸カメラ」。早期癌の診断治療(拡大内視鏡・食道胃大腸ESD)、胆膵管内視鏡ERCP、超音波内視鏡EUS、EUS-FNA等が専門。機能性胃腸症:FDや過敏性腸症候群:IBS、便秘などで苦しむ患者さんの治療や、様々な不定愁訴に対しても西洋医学(総合内科)と漢方医学を融合させた医療を実践中。また老衰や認知症に伴う肺炎などの終末期患者さんの看取りや、各種がんの終末期緩和ケア&看取りをこれまで多くの患者さんに行い、安らかな最期を迎えられるようチーム医療で取り組んでいる。

所属学会・認定専門医
日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会指導医・専門医、日本膵臓学会、日本胆道学会、日本臨床細胞学会、日本食道学会、日本肝臓学会、日本ヘリコバクター学会認定医、日本腹部救急医学会、日本時間生物学会、日本臨床腸内微生物学会、日本東洋医学会