濵田暁彦医師 コラム No.40
2015/06/20(与謝野町くすぐるカード会発行「くすぐる vol.173」2015年7月掲載)

「健康日本21と食生活の改善」

先日京丹後市の「食生活改善推進員養成講座」でお話しする機会がありました。

昭和30年に戦後の栄養失調や乳児死亡の低減を目差して「日本食生活協会」が発足し、同協会の指導のもと各自治体で「食生活改善推進員」が養成されてきました。

中でも沖縄を抜いて男女ともに平均寿命日本一になった長野県ではこの食生活改善推進員は「食改さん」と呼ばれ親しまれており、1年間で県民217万人中約半数の119万人が食改さんの指導を受けるという全国一の活動数が長野県民の健康で尚且つ長寿である最大の秘訣だと考えられています。

かつての長野県は寒冷な気候で漬け物や濃い口味噌汁が普及し、タンパク質の摂取が少ない悪い見本の様な食生活でした。そのため高血圧による脳卒中死亡率が全国でも最悪で、40代の働き盛りが脳卒中でバタバタと倒れて行くような地域性でした。
 しかし佐久総合病院の若月俊一医師が中心となり「予防は治療に勝る」との考えのもと、長野の農村で全国に先駆けて現在の「検診」モデルともなる「全村一斉検診」が行われ、今で言う「地域医療」が早くに浸透して行きました。
 そのような土壌のもとで長野の「食改さん」は各家庭を一軒一軒訪問して味噌汁の塩分濃度をチェックするなど細かな指導を行い、減塩と野菜摂取の増加を普及してきました。
 その結果が現在の「ピンピンころり」と言われる健康長寿の達成です。

また食改さんの活動のうちに「健康日本21の推進」というものがありますが、この「健康日本21」というのは厚労省が約10年ごとに行っている「国民健康づくり対策」の21世紀バージョンのことです。
 今年2015年からは新たに第4次対策として「健康日本21(第2次)」が開始されます。そこでは平均寿命を伸ばす以上に「健康寿命=日常生活に制限の無い期間」を伸ばすことが中心の課題と位置づけられています。つまり介護や入院を必要とせず元気でいられる期間を長くすることで多大な高齢者の医療費を抑えようという訳です。

これは今後の日本の少子高齢化、医療費抑制政策と大きく関わる内容です。次回以降「健康日本21(第2次)」の内容をより詳しく見て行くこととします。

執筆
濵田 暁彦

宮津高校、京都大学卒。
京都大学医学部臨床講師、丹後中央病院消化器内科主任部長、宮津武田病院非常勤。モットーは「楽な胃カメラ」「痛くない大腸カメラ」。早期癌の診断治療、胆膵内視鏡(ERCP)や超音波内視鏡などが専門。